人材育成-主体性を身につける・EQを高める

スペインのジュニアサッカーから学ぶ主体性の育て方

真面目だけど、自分からは意見を言わない。そんなスタッフにもどかしさを感じることありませんか?

先日、たまたまスペインのサッカーは、なぜ強いかを話しているのを聞く機会があり、ジュニアの段階で日本と大きく違う2つの点を挙げていました。

サッカーはひとたびフィールドに出れば、戦術はあるにしても、選手達はその場で自分達で考え戦っていかなければなりません。

確かにその2つの違いは、日本人は真面目だけと受け身になりがちで、スペインはプロアクティブであることが、よくわかるものでした。印象的であったと同時に、社会人の主体性の育て方にも当てはまることでしたので、お伝えしたいと思います。

違い1:一人一人を褒める

日本ではどうしても目立つアクションを取った子を褒めがちだそうです。得点を決めた子とか。ですが、スペインの場合、そこに至るまでの他のメンバー、一人一人の働きのよかった点を褒めるのだそうです。あの時の、XXが良かったとか。

そうすると、子供は「ちゃんと見てくれているんだ」と思うし、自信も湧いて、もっと頑張れるようになります。

これを会社に置き換えれば、例えば「売り上げを達成した時」、セールスの部門だけを讃えるのではなく、その部門を支えた他の部門(間に合うように商品を調達した部門、対応したカストマーサービス、システムサポートなど)の具体的な行動も同じように認め、褒めること。

チームであれば、セールスがもっとも高かった人だけを褒めるのではなく、その人が仕事に集中できるようにサポートした人の行動も褒める。

こうした関わった人たちの具体的な行動を認め、労をねぎらい、褒めることで、個々の存在価値を認めていることが伝わり、誰もがやりがいを感じ、主体的に考えることにつながります。

違い2:意見を言わせる

日本では決められた練習をこなしたり、決められた戦術で動くことに、子供は受け身で自分の考えや意見をいうことは基本的はないのだそうです。

スペインの場合、例えば試合後、「なぜ、自分はあの時その行動をとったのか?」というようなことを子供達がきちんと話すのだそうです。そして監督からフィードバックをもらう。監督もそれを尊重してまず聞きます。

なので、自然と、では次からどうすればいいかを自分で考えるようになるのだそう。

ビジネスであれば、指示を出すだけではなく、ブレストでもいいので、意見や考えを聞くこと、「どう思うか?」「なぜ、そう思ったか?」を話してもらうこと。結果だけで判断せず、「なぜ、そうしたのか」を聞くこと。これが、自分で考えてみる習慣づけにつながります。

まとめ

スペインのジュニアサッカーに学ぶ主体性を育む2つのポイントは、

・目立つ人、成果を上げた人だけではなく、それを支える一人一人の行動を褒める

・どう思うか?なぜ、そう思うか?を聞く

でした。

余談ですが、私はこの2つのことを聞いた時、今の時代ですから、2つとも日本でもやっている方は少ないんじゃないかと思いながら聞いていたのですが、もし、そうではないところもあれば、確かに差がつく要因の1つではあるんだろうなと思いました。

PS, 強くなるもう1つの理由-休む

これは主体性とは関係ないですが、もう1つ大きな違いが「休み方」でした。日本人はとにかく練習量が多いのだそう。スペインの場合、1日の練習量もずっと少ないですし、1ヶ月などまとまった休みも取らせるそう。そこから体を戻すときは徐々に戻していくそうです。他のスポーツもやってもいいそうです。

日本では、練習量が多いせいか、子供の頃から整体院などにいくそうですが、スペインではそれはないそう。練習に関しては、国民性の違いもあるかもしれませんが、これも働き方に通じているようで、なんだか考えさせられますね。