会議中ずっと下を向いたままで、当ててくれるなと言わんばかりのスタッフ。やりきれなくなりますよね。
その場で発言がなかったために、決定事項が後からひっくり返ったり、もっといい結果が得られたはずなのに…ということは起きて欲しくないですし、発言する人が決まっているというのは全体の一体感や責任感も薄れます。
さて、なんとかしなければと思い、まずは安心安全な場で、ブレストできる習慣作りから始めました。
そうしてわかった、発言を躊躇する理由と、私が実際に行ったカンタンだけど効果があった方法、安心安全な場作りについて書いてみます。
発言を躊躇する3大理由
発言しない人にはそれなりの理由があります。発言を躊躇させてしまう大きな理由は、この3つ。
1)会議のテーマへの理解が乏しい
2)否定されたり、能力がないと思われるのが怖い
3)責任を負わされるのが嫌だ
(提案や意見があっても、)では、君がやれ」と言われるのが怖くて言えない)
1)3)は発言だけの問題ではなく課題は他にもあるので、今回は2)に特化して私が実践した方法です。
私が実践したシンプルな方法とは?
定期ミーティングのテーマ
下を向いたままのスタッフが安心安全な場でブレストできるようにするため、小規模のチーム(5人程度)で、週に1回、月曜の午後30分だけ、各々の週の予定を確認しあうミーティングを持つことにしました。
その週の予定の確認ですから簡単です。お互いに何をしているかもつかめるし、自分がやることを言うので、正解・不正解はなく、誰かに否定されることもありません。(意外な副産物は、これをやり始めたら、自分がやっていることをよく知ってもらうことで、自分の仕事にあらためて、自信を持ったスタッフがいたことでした)
ミーティングの進め方
明るい雰囲気で、安心な場と思えるよう、ミーティングのスタートを工夫しました。
・メンバーの中の一人が週末にあったことを3分以内で話します。話す人は予め決めず、 当日その場で小さなボールを転がして決めます。
↓
・話を聞いた後、聞き手の中の1人が、どんな話だったか要約して1分で話します。
(要約する聞き手は、話し手がボールを渡して、その場で決める)
↓
・他の聞き手から、他に加えることがあれば言ってもらう
↓
・話し手は、その要約についてフィードバックします。
このミーティングの効果
このやり方は、あらかじめ話す人を決めないので、前の日に「何を話そうか?」と憂鬱になることはないですし・笑、要約する人も、話し手が話し終えた後に選ぶので、全員が話をきちんと聞きます。
これが席順で話すようなルールにすると、自分が話すことばかり考えて、人の話を聞かなくなります。その場でランダムでやるからこそ、相手の話をちゃんと聞きますし、話し手も 聞いてもらえているという嬉しさがあります。
また単に話すことに慣れるだけではなく、
・時間を区切ることで、時間を意識して話すということ
・聞き手が要約した話を聞くことで、自分が言いたいことが伝わっているかどうかがわかる
・要約する聞き手も、自分の理解力に気づける
といった効果もありました。プレゼンで決まった時間内にわかるように伝えるという練習にもなったようです。
ちょっとしたゲーム感覚でやっていましたが、いつも結構盛り上がり、ビジネスのミーティングでも、活発に意見をやり取りするようになりました。
かなり幼いやり方のように思う方もいるかもしれませんが、こうすることで他人の目を気にせず、意見を言えるようになった方もいたのです。
まとめ 安全と思える場づくり
会議には様々な課題があると思います。
「やたら時間がかかる」「効率が悪い」「アイディアが出ない」「建設的な議論にならない」「話が長かったり、他人に意見を聞かない人がいる」などなど。今回は、発言しない人が発言するようになるために、安心安全な場作りから始めた方法を紹介しました。
“「意見」はより良いものを作ったり、目的を達成するという同じ目的のためにかわすものであり、誰かを非難することはないこと”
を感覚として常に共有できるようになれば、より会議が活性化していくはず。
基本的には日々笑顔を忘れずに、些細なことでも意見や考えを言い合える機会があるのが一番です。必ずリーダーが同席するのではなく、スタッフだけで話す機会を持たせるのも効果的ですよ。